食べる

日本で珍しい生麺のフォーを製造!〜 オリジーPho(東京・国立)

 

こんにちは!We love Vietnam 編集部です。

日本でもベトナム料理店が増え、気軽にベトナム料理が楽しめる環境が整ってきました。ベトナム料理の中でも最もメジャーな料理の一つが、米から作った平麺の麺料理フォーphở)。通常、日本のベトナム料理店では、ベトナムから輸入した乾麺状のフォーを使うことが多いのですが、ベトナムと同じ作り立ての生麺のフォーを日本でも普及させたいと奮闘しているベトナム人がいます。なぜ生麺のフォーの製造を始めたのか、ベトナムとは気候条件などが異なる日本でのフォー製造の難しさなど、製造拠点までお邪魔してお話をうかがいました!

生麺のフォーの製造方法

フォーは米から作る平麺。ベトナムでは、街の至るところに屋台や店舗がある国民食の一つです。ベトナムで食べるフォーは、製造されてすぐに食べる「生麺」が主流。米の味わいが深く、もちもちしていて、スープが染み込みやすいなどの特長があります。

一方で、生産したフォーを乾燥させた状態で袋詰めにした「乾麺」のフォーもあります。ベトナムではスーパーなどの小売店で販売されています。日本のベトナム料理店の多くで扱われるのが、ベトナムで作られた乾麺のフォー。生麺に比べるともっちりとした米感が少なく、茹でたときに麺が切れやすくなりますが、ツルッとしたのどごしで食べやすく、最近は改良が進み生麺に近い味わいの乾麺も出てきています。保存が効くため廃棄リスクが少ない点が飲食店にとってはメリットとなります。

まだ日本では珍しい生麺のフォーの生産に挑戦しているのが、株式会社JVF(東京・国立)。自社の生産施設で、独自の生麺ブランド、オリジーPhoを製造し、現在全国のベトナム料理店などに卸しています。現在は、製造日を週3回設け、1日に500kgほど生産。当日午後には全国の取引先に出荷する体制を作っています。

生麺のフォーは以下の流れで製造していきます。

  1. お米は最大伸びるまで約8時間水に浸す
  2. 石臼で細かく砕いて米粉にする(温式粉砕)
  3. 麺のコシを自然と引き出すため、米粉は製造までしばらく寝かす
  4. 製麺機に入れて平たい生地を作り、蒸す
  5. 最後に平麺状にカットする

実はフォー、気温や湿度、製造環境が味や仕上がりに大きく影響が出やすい繊細な食品。同社は、ベトナムで製麺の基礎を学んだのち、日本の製造環境に合わせるためオリジナルの製麺機を作り、さらに日本に適した独自の配合で生麺のフォーを作っています。

フォーの原料となる米は現在、日本の提携農家で作ってもらっています。当初はベトナムから輸入していましたが、米は輸入手続きが煩雑。このため日本国内でフォー製造に適した指定品種のベトナム米を栽培してくれる農家を探したところ、運よく見つけることができたといいます。現在は、安定的な価格でフォーを提供するため、最低1年分の米を保管しています。

製造した生麺は袋詰めで出荷。ベトナムでは通常、生麺は翌日までに消費するのが一般的ですが、こちらのフォーは製造で1週間保管できるよう開発しました。ベトナムの本場の生麺の深い米の味わいと、もちもちした食感を日本でも実現すべく尽力。現在は、取引先も拡大中です。

 

日本に生麺のフォーを広めたい

株式会社JVF代表のルォン・ヴァン・フィーLUONG・VAN・HUY)さん。2011年に沖縄県の日本語学校に留学。ハノイの大学卒業後、物流関係の会社で働いたのち、27歳で来日しました。留学を進めてくれたのは、琉球大学で研究活動をしていたお兄さんの友人。「海外で働けば人生が変わるかも」との思いで来日を決断、ゼロから日本語学習を始めました。一念発起の留学でしたが「日本語学校の寮は多国籍で刺激があり、沖縄の人も温かかった」と、日本の生活に馴染んでいきました。当時の日本語学校の理事長とは今でも連絡を取り合う仲です。

その後、東京の大学院に入学し、日本経済について研究。卒業後はインバウンド業務を扱う旅行会社に就職し、日本に訪れる外国人旅行客の手配や管理などを担当しました。「とてもやりがいのある仕事で、アットホームな職場」でしたが、数年働いたところで「インバウンド業界も価格ばかりが焦点に。別のことに挑戦してみたくなった」と、起業を決断します。

ベトナムの大学で食品研究の経験を持つ奥さんと何度も話し合い、日本ではまだほとんどない本格的な生麺のフォーを製造する会社を立ち上げることを決心。その後は、ベトナムで1日に1トンのフォーを製造する有名工場のプロのもとで、現地で製造工程を一から学びました。フォーの製麺機も、ベトナム製の機械では日本の製造拠点に適さないと判断し、オリジナルで製作しました。

2019年4月に会社を設立。工場に適した場所探しは難しく、現在の場所を見つけるまでに4ヶ月も要しました。体制を整え、食品製造の営業許可が出たのち、2020年3月からフォーの生産を開始しました。

現在は全国各地のレストランやベトナム料理店から引き合いが増えており、生産量も拡大。近く広い工場に移転する予定といいます。「日本にもベトナムと同じように生麺のフォーの文化を広げたい」(Huyさん)。将来は、スーパーなどで一般消費者向けに販売できるフォーも開発したいと考えています。

 

株式会社JVF

本日は日本では珍しい生麺のフォーの生産に挑戦する株式会社JVFさんをご紹介しました。JVFさんが生産している生麺のオリジーPhoは、たっぷりとスープを吸ったもっちりとした麺で、ベトナムの屋台で食べたフォーを思い出す味でした。

同社のオリジーPhoは、都内のフォー店などで食べることができます。近々お店をご紹介していきます!ぜひ皆さん、生麺のフォーと乾麺の違いを体験してみてはいかがでしょうか。

オリジーPhoの製造元

社名 株式会社JVF
住所 〒166-0011 東京都国立市谷保7-1-1 SEビル3F
電話 042-843-0612
Facebook こちら

【PR】

“プロフィール”

最近の記事

  1. おみやげに必須のベトナムコーヒー!現地スーパーで買える人気ブランド6選!

  2. シナモン香るベトナム版メンソレータム「Cao Sao Vàng」で気分すっきり!

  3. 編集部も注目!ベトナムの人気インフルエンサーを紹介(女性編)!