これまでもベトナム料理店のメニューの一品としてブンチャーを扱う店はたくさんありましたが「ブンチャー専門店」とうたった店は見かけたことがありませんでした。日本では、バインミー専門店、フォー専門店などベトナム料理の単品をメーンにした店舗も増えてきており、ベトナム好きとしては、ベトナムが日本に根付いてきていると感じて嬉しくなります!
メニューの中心はもちろんブンチャーです。単品のブンチャーのほか、ブンチャーと揚げ春巻きのセット(Bún chả kèm chá giò) と、カニ春巻き(Nem cua bể)がつくブンチャーオバマセット(Bún chả OBAMA)から選べます。
2016年にバラク・オバマ米元大統領がベトナムを公式訪問した際、ハノイローカルのブンチャー専門店に立ち寄り、ブンチャーを食べる姿が広く報道されたことから、ブンチャーはベトナム以外の国でも一躍注目を浴びるベトナム料理となりました。
このときオバマ元大統領が注文したのが、ブンチャーと海鮮春巻き(とハノイビール)だったことから、ベトナムのブンチャー専門店は、この組み合わせをオバマコンボやオバマセットと名づけています。
専門店のためブンチャー以外のメニューは少なめですが、ブンボーフエ(Bún bồ Huế)やバインミー(Bánh mì)、チェー(Chè)などを扱っています。
ブンチャーがこちらです!ブンチャーのつけ汁から漂う、甘じょっぱいヌックマムの香りと、肉の香ばしい香りでハノイを思い出します。山盛りのブンと豚バラ・豚つくねが浮いている黄金色のつけ汁は、現地で食べていたブンチャーと見た目も一緒です。
店員さんも「できる限り、ハノイ本場の味・見た目に近づける努力をしています!」と話します。豚肉も、現地同様に網で焼いているとのこと。肉にできた焦げ目の香ばしさが、日本ではなかなか味わえない本場感を引き出しています。
食べ方がわからない日本人には、店員さんが丁寧に食べ方を説明してくれます。BETOMENは、ハノイでブンチャー専門店を営んでいたオーナーが日本に移住して立ち上げた店舗。このため「ハノイのブンチャーのおいしさを日本でも再現したい」という思いが強いと店員さんが教えてくれました。
こんもり盛られたブンはだいぶ量が多く見えますが、甘じょっぱい漬けダレにつけながら、生野菜と一緒に食べると、さっぱりしていてあっという間に食べ切れます。
途中まで食べたら”味変”もいいですね。ここでニンニク酢です。ニンニク酢はベトナムの万能調味料ですが、ブンチャーにもとてもよく合います!
そしてセットのカニの春巻きです。揚げ春巻きはどこのベトナム料理店でも食べられますが、カニの春巻きは日本では珍しいですね。ザクザク感した皮を噛み締めていると、カニの旨味が鼻からフワッ〜と抜けていきます。ブンチャーの漬け汁につけて食べるのもベトナム風です。